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授乳している妊婦さんが薬を使用するのに気をつけたいこと



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健康食品のお問い合わせで、妊婦さんや授乳中の方が飲んでも大丈夫ですか?と質問を受けます。基本的には、かかりつけの医師が患者さんの健康状態を把握しているため、弊社では一概に安全ですとは言い切れません。そのため、医師へ判断していただくように進めております。

授乳している人の薬の基本的な考え方とは?

母乳育児中の母親に薬物療法が必要な場合は、乳児への安全性、危険性についての説明だけでなく、母乳育児の利点と不利益を説明する必要があり、母親は知る必要があります。

母乳育児の利点・・・認知能力の向上、感染症罹患率の低下など

母乳育児の不利益・・・乳児への曝露が比較的少ない薬でも患者の薬剤安全情報のとらえ方によっては、医療者による正確な知識で安全情報を知る必要があります。

母乳を介しての乳児が曝露される薬物は、乳児に対する治療量の10%にも満たないようです。(参照:薬が見える第一版 vol2 p205)

母乳を介した乳児への薬物の影響とは?

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母親が薬を飲んでいるとどうしても乳児への影響が気になるのは当然だと思います。

①母乳への薬物移行

移行しやすい薬物は胎盤を通過しやすいものになります。(成分の分子量が小さい、蛋白と結合しないもの、脂溶性であるもの、塩基性のもの)

乳腺上皮細胞の栄養素の運び屋(トランスポーター)が薬物などの非栄養素も輸送してしまう可能性もあります。

②乳児の腸管による薬物の吸収率

もし母乳に薬物が含まれていたら、乳児への経口投与になるため、腸管の吸収率は血中の薬物濃度を左右します。

③乳児の薬物への対応能力

乳児は肝臓、腎臓が未熟であるため薬物の代謝・排泄機能が低いです。また細胞外液の比率が成人よりも大きいため薬物を体に溜めてしまうのです。

授乳している母親は、どんな薬物に気をつければいいの?

授乳を禁止すべき薬物はそんなには多くないですが、乳児への曝露レベルが高い薬、母乳分泌を妨げる薬、抗がん剤、放射性アイソトープは授乳婦には禁止されています。

【乳児に大量に移行する可能性が高い薬物】

( )内は薬物名です。

・抗てんかん薬 (フェノバルビタール、エトスクシミド、プリミドン)

・喘息治療薬(テオフィリン)

・抗躁薬(リチウム)

・甲状腺病治療薬(ヨード製剤)

 

【母乳分泌を抑制する薬剤】

・ドパミン受容体作動薬(ブロモクリプチン、カベルゴリン)

・片頭痛治療薬(エルゴタミン製剤)

・ホルモン製剤(経口避妊薬)

 

【抗癌薬】

抗癌薬(シクロホスファミド、シクロスポリン、ドキソルビシン、メトトレキサート)

 

【国立成育医療研究センター指定薬剤】

放射性ヨウ素(放射性ヨード)

麻薬(コカイン)

抗不整脈薬(アミオダロン)

またHIVに感染している人は子供への感染があるため授乳は禁止です。

まとめ

授乳はお母さんが摂取した薬物を乳児へ与えてしまいます。乳児の体の状況と、今後の成長に大きく関わってくることなので、是非とも気をつけて薬物を摂っていただけばと思います。

参照元:参照:薬が見える第一版 vol2 p205)

 

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